
NHKは10月1日より、放送とインターネットを統合した新しいオンラインサービス「NHK ONE」の提供を開始すると発表しました。これまで任意業務だったネット配信が改正放送法により必須業務となり、テレビなし世帯でもスマートフォンやパソコンでNHK番組を視聴できる環境が整備されることになります。

改正放送法が2024年5月17日の参院本会議で可決・成立し、これまで「任意業務」だったNHKのインターネット配信が「必須業務」に格上げされました。
背景には、スマートフォンや動画配信サービスの普及により、テレビを持たない世帯が増加し、国民が情報を得る主要な手段がインターネットに移行してきたことがあります。
改正放送法は、テレビの有無にかかわらず、インターネットがあればいつでもどこでも、NHKの放送番組が視聴できる環境整備を目的としています。
「NHK ONE」は、これまで個別に運用されてきた「NHKプラス」や「ニュース・防災」など複数のオンラインサービスを統合し、ひとつのプラットフォームにまとめたもの。総合テレビやEテレの同時配信、1週間の見逃し配信に加えて、ニュースや動画、学習コンテンツも提供されます。

新機能として、ネット対応テレビ向けの専用アプリには、これまで未対応だった「リアルタイム配信機能」が初めて実装され、インターネット経由でリアルタイムの放送をそのまま視聴できるようになります。お気に入り番組の登録や家族ごとの視聴設定など、個人に合わせた機能も追加される予定とのこと。
新サービスは、NHKの受信契約をしていれば、追加料金なしで利用可能。一方、これまでテレビを持たずに受信契約をしていない世帯については、新たな受信料制度が適用されます。
NHKの番組配信を視聴するためのアプリをダウンロードし、利用登録を行った場合に新たに「ネット受信料」が発生し、この「ネット受信料」は、従来の地上契約(衛星放送なしの料金)と同額の月額1,100円となる見込み。
重要な点として、スマートフォンやパソコンなどを保有するだけでは契約を求めないとされており、NHKのオンラインサービスを意図的に利用登録しなければ、今後も引き続き受信契約をする必要はありません。