
Financial Timesによると、OpenAIと元Appleのデザイン責任者ジョニー・アイブ氏が共同開発中のAIデバイスに、技術的な問題が発生しているようです。このAIデバイスは来年の発売を目指していましたが、ソフトウェアやインフラ面での課題が未解決のため、発売が遅れる可能性が伝えられています。

Financial Timesによると、OpenAIとジョニー・アイブ氏率いるデザイン会社「LoveFrom」は、来年の発売を目指して進めている小型AIデバイスの開発で複数の技術的問題に直面しているといいます。デバイスは手のひらサイズで、画面を持たず、音声と映像入力により環境を理解し、ユーザーと自然な対話を行う「AIパーソナルアシスタント」として構想されているとのこと。
しかし、Financial Timesによれば、現在も「AIアシスタントの性格設計」や「プライバシー保護」、「大規模計算リソース」などで重大な課題が残っているとのこと。
特に、ChatGPT自体の運用で既に逼迫している計算資源の確保がボトルネックとなっており、ある関係者は「AmazonやGoogleはAlexaやHome向けの計算力を持っているが、OpenAIはそれを満たせていない」と語ったと伝えています。
開発中のデバイスはスマートフォンほどの大きさで、カメラやマイク、スピーカーを備え、デスク上に設置するほか持ち運びも可能。常時稼働型で、日常的に取得するセンサー情報を活用してユーザーの嗜好や行動を学習し、より自然な応答を目指す設計だといいます。ただし、AIの「声」や「話し方」などの表現面でのチューニングも難航しており、「多弁すぎず、沈黙すぎず、適切に会話を終える」ことが課題になっていると、プロジェクトに詳しい人物の話として伝えています。