Twitterはイーロン・マスク氏に買収された後どうなるの?

Twitterはイーロン・マスク氏に買収された後どうなるの?

7

Twitterは4月25日、テスラやスペースXのCEOを務める起業家のイーロン・マスク氏による買収提案を受け入れると発表しました。イーロン・マスク氏による買収で、Twitterは今後どうなるのか注目されています。

イーロン・マスク氏に買収されたTwitterはどうなるの?

elon-musk

Twitterはイーロン・マスク氏による買収提案を受け入れると発表しました。1株あたり54.20ドルで、買収総額は約440億ドル。日本円にして約5.6兆円です。

買収は2022年中に完了する予定で、完了後はTwitterは株式非公開企業になります。

Twitterはマスク氏の買収提案を受け、ポイズンピルを導入し、ホワイトナイトの登場を待っていましたが現れず、イーロン・マスク氏の買収提案を真剣に検討せざるを得ない状況だったと予想されます。

マスク氏が提案した買収価格は、マスク氏の株式取得が明らかになる前日の終値より38%のプレミアムで、Twitterは買収提案を断るためには、38%のプレミアムを上回るメリットを株主に証明する必要がありましたが、現実的には困難。Twitterは「(イーロン・マスク氏による買収は)株主にとって最善の道と信じている」としています。


イーロン・マスク氏とTwitterの経緯

  • 4月4日 イーロン・マスク氏がTwitterの株式9.2%を取得したことが判明
  • 4月5日 Twitterが、イーロン・マスク氏を取締役会に迎えると発表
  • 4月10日 イーロン・マスク氏がTwitter取締役就任を辞退
  • 4月14日 イーロン・マスク氏が約434億ドルでTwitterの買収を提案
  • 4月15日 Twitterが「ポイズンピル」の導入を発表
  • 4月21日 イーロン・マスク氏が買収資金として465億ドルを確保
  • 4月25日 Twitterが買収提案を受け入れると発表

リリースの中でマスク氏は「言論の自由は民主主義の基盤であり、Twitterは人類の未来に不可欠な事柄が議論されるデジタルなタウンスクエアだ」と述べ、今後のTwitterについても以下の4つを示唆しています。

  • 新機能によるプロダクト強化
  • 信頼性を高めるためにアルゴリズムのオープンソース化
  • スパムボットの撃退
  • すべての人間を認証する

またマスク氏は「私の最悪な批評家もTwitterに残ってほしい。それが言論の自由というものだ」とツイート。買収提案時のメッセージでも「Twitterが世界中の自由な言論のプラットフォームになる可能性を信じ、また言論の自由は民主主義が機能するための社会的要請であると考え、Twitterに投資した」と述べています。

マスク氏が語る「言論の自由」がTwitterに何をもたらすのか。The Vergeによると、Twitterのパラグ・アグラワルCEOは「買収完了後に何が起こるかかはわからない」と述べているといい、また現時点ではレイオフは計画されていないが、買収完了後は取締役会は解散するとのこと。

Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシー氏は「原則として、誰かがTwitterを所有したり運営するべきではないと考えている。Twitterは、企業ではなく、プロトコルレベルの公共財でありたいと考えている」と述べ、「会社であることの問題を解決するため、イーロン・マスクは私が信頼する唯一の解決策です」と語っています。

また「イーロン・マスクの目標は『最大限に信頼され、広く包括的』なプラットフォームを作るというものだ。これはTwitterのパラグ・アグワルCEOの目標でもあり、私が彼を選んだ理由でもある。2人とも、会社を困難な状況から救ってくれてありがとう。これが正しい道……心からそう信じています」と、マスク氏とパラグCEOが目指す目標は同じであるとコメントしています。

Twitterは4月28日に、2022年第1四半期の決算を発表する予定。買収完了後は、株式非公開企業になるため、四半期ごとの報告も不要になります。