「iPhoneのマイナンバーカード」6月24日より開始。できること、できないこと。

iPhoneにマイナンバーカードの機能を搭載する「iPhoneのマイナンバーカード」サービスが、6月24日から開始されると発表されています。

このサービスが開始されることで、物理的なマイナンバーカードを持ち歩かなくても、iPhone（Appleウォレット）でFace IDやTouch IDを使った生体認証により、マイナポータルへのログインやコンビニでの証明書取得などの行政サービスを利用できるようになります。

サービス開始と同時に、マイナンバーカードの電子証明書機能を使ってマイナポータルへのログインが可能になり、薬や医療費、年金の記録の確認や引越し手続きなど、さまざまな行政サービスを利用できるようになります。また、これまで必要だった暗証番号の入力作業が不要になり、Face IDやTouch IDだけで手続きが完了します。

他にも、住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書を、iPhoneをかざすだけでコンビニエンスストアで取得できるようになります。大手コンビニのマルチコピー機における証明書交付サービスでは、すでにiPhoneでの対応準備が確認されています。

氏名・生年月日など券面記載情報の証明にも対応し、身分証明書としても機能。7月には「マイナンバーカード対面確認アプリ」のiOS版で、iPhoneのマイナンバーカードによる対面での本人確認ができる機能を追加する予定です。

Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは日本が初となります。

昨年5月、AppleのApple PayおよびAppleウォレット担当バイスプレジデント、ジェニファー・ベイリー氏は「Appleウォレットの身分証明書機能の米国外への展開は、従来の物理的な財布を、簡単かつ安全で、プライベートなモバイルウォレットに置き換えるという私たちのビジョンにおいて重要なステップ」と述べています。

平将明デジタル大臣は記者会見で、「生体認証が入った環境になるので、UI/UXが改善されて便利になる。デジタルデバイドの大きな要因がUI/UXなので、スマホでの体験が増えると使いやすさを実感してもらえると期待している」と述べています。

「iPhoneのマイナンバーカード」で当面できないこと

マイナ保険証機能は当面対応せず、医療機関での受診時には引き続き実物のカードまたは保険証が必要になります。厚生労働省では7月から実証実験を開始し、9月ごろから一部の医療機関で運用開始予定で、現在のリーダーにアタッチメントを付ける形を想定しています。