無限アラート事件の被疑者2名が起訴猶予処分、担当弁護士が声明「本来罪に問えない行為をもって、被疑者として不当に扱われたもの」

無限アラート事件の被疑者2名が起訴猶予処分、担当弁護士が声明「本来罪に問えない行為をもって、被疑者として不当に扱われたもの」

ブラウザで開くと無限にアラートが表示されるURLを掲示板に書き込んだとして、兵庫県警が神戸地方検察庁に送検し、被疑者として扱われた2名の男性について、検察官は起訴猶予処分にしました。今回の事案を受け、担当弁護士が声明を発表しています。

「アラートループ事件」被疑者の2名が起訴猶予処分

unclosable-popup-prank
問題になっていた無限アラート

インターネット掲示板に特定の文字などが表示され続けるURLを掲載したとして、兵庫県警が「不正なプログラムに誘導するリンクを貼り付けた」として神戸地方検察庁に送検し、被疑者として扱われた2名の成人男性について、検察官は起訴猶予処分にしました。今回の事案を担当した横浜パーク法律事務所の南竹要弁護士、室之園大介弁護士が「アラートループ事件の被疑者2名に対する起訴猶予処分を受けて」とする声明を発表しています。

声明では「無罪立証の負担を強いられる煩を事実上避けたことは一安心です」としながらも、「検察官の処分は、不起訴処分のうち、「起訴猶予処分」でした。これは,犯罪の嫌疑がありかつ訴訟条件が具備していても,被疑者の境遇や犯罪の軽重,犯罪後の状況などから検察官の裁量によって控訴提起を差し控えるというものです」と説明。

unclosable-popup-prank
担当弁護士による声明文

ネットを取り巻く事案としては、Choinhive事件、Wizard Bible事件に次いで発生した事案である「アラートループ事件」は「捜査機関の現代技術に対する無理解と、無理解から来る根拠のない不安感・危惧感を犯罪として構成するという理不尽な権力の行使にあります」「捜査機関の無知が委縮的効果を生み、ひいては我が国のソフトウェア産業、技術革新にブレーキをかけ、我が国の経済と人々の暮らしへもたらされるはずの日本発の革新的技術開発への打撃ともなりかねない」と危惧しているとし、「潔く不起訴処分としての『嫌疑なし』に該当する旨の判断をして、社会に広まった電脳空間における表現行為の萎縮的効果を積極的に除去すべきでした」と述べています。

「法曹の一翼を担う検察官としては、その職責を全うしていないと社会から批判されてもやむを得ません」

また「有罪に問えると考えているが、個別事情で起訴しないとした起訴猶予処分は、まさに法曹の一翼を担う検察官としては、その職責を全うしていないと社会から批判されてもやむを得ません」とし、「被疑者2名は、兵庫県警の軽薄な勇み足によって、本来罪に問えない行為をもって、被疑者として不当に扱われたものです起訴処分の中でも、『犯罪にあたると考えるが今回だけは起訴しないでおいた』という姿勢でお茶を濁して終局的に終わらせる検察官の態度は、これら2名の方の心をさらに抉ることになることに思いを致すべきです」と憤りを表明。

弁護士らは「捜査機関側の不当な捜査及びこれによって被疑者らの生活に生じた支障の責任を問うべく、法的手段を講じることも視野に本件及び本件類似事案に対する社会正義の実現に携わっていく所存です」としています。