AppleはEpicに対し、8月28日までに「フォートナイト」の修正に応じなかった場合、Epicの開発者アカウントを停止し、開発ツールを利用できないようにすると警告したことが明らかになりました。Epicによると停止された場合、Unreal Engineを利用したアプリ開発に影響が生じるとしています。
Apple、フォートナイトの修正に応じなければEpicの開発者アカウントを削除と警告
Apple Storeの売上に対し、Appleが30%の手数料を課する、いわゆる「Apple税」を巡李、人気ゲーム「フォートナイト(Fortnite)」の開発元であるEpicとAppleの争いで、AppleがEpicに対し、8月28日までに修正に応じない場合、開発者アカウントを削除し、開発ツールの利用ができないようにすると警告しました。
Apple removed Fortnite from the App Store and has informed Epic that on Friday, August 28 Apple will terminate all our developer accounts and cut Epic off from iOS and Mac development tools. We are asking the court to stop this retaliation. Details here: https://t.co/3br1EHmyd8
— Epic Games Newsroom (@EpicNewsroom) August 17, 2020
Appleが課している30%の手数料は、ゲームプラットフォームとしては標準的。EpicのCEO、ティム・スウィーニー氏は以前からプラットフォームへの手数料30%には批判的であり、2016年にはMicrosoftに対しての批判をThe Guardianに語っています。
今回の騒動は、累計ユーザー数3億5000万人まで成長したフォートナイトを武器に、Epicが意図的にガイドライン違反をし、Appleがフォートナイトが削除するように仕向けて訴訟を起こし、Appleに決済手段の自由化を求めたもの。
一方でAppleの対応は極めて冷静。Epic側に対話を求め、ガイドラインを遵守しフォートナイトを修正しない場合は、Epicの開発者アカウントをすべて削除し、開発者向けに提供されているツールやドキュメントを利用できないようにすると警告しました。
Epicに対しては、以前から一部でアンチコミュニティが形成されており、批判も多い。批判の理由は、Epicが展開する「Epic Game Store」(以下、EGS)では他社製ゲームを買収し、時限的に独占していたことや、EGSのセキュリティに問題が多かったこと、フォートナイト成功の裏で従業員に長時間労働を強いていたこと、中国のIT大手であるTencentが主要株主(40%)であることなど、さまざまな理由が挙げられています。
EpicはAppleの警告に対し、裁判所に差し止めの申し立てをしています。
Epicの開発者アカウント停止の影響は他社製アプリにも
Epicの開発者アカウントが停止された場合、他社製ゲームやアプリなどで利用されている「Unreal Engine」の開発やサポートができなくなり、影響はEpic外にも広がる可能性があります。
日本で人気のあるスマホゲームで「Unreal Engine」を採用したものは多くありませんが、PS4向けタイトルやNintendo Switch向けタイトルは多くあります。