Apple、次世代Siriのテストを支援する「ChatGPT風アプリ」を開発

Apple、次世代Siriのテストを支援する「ChatGPT風アプリ」を開発

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Appleは、来年に予定されているSiriの大規模刷新に向け、ChatGPTのように対話可能な内部向けアプリ「Veritas」を開発しているとBloombergが報じています。新アプリは従業員による機能検証を効率化し、次世代Siriの完成度を高める狙いがあるとのこと。

Bloombergによると、AppleはSiriの全面的な刷新を前に、ChatGPTのような対話型アプリ「Veritas(真実を意味するラテン語)」を社内向けに構築し、テストに活用しているそうです。このアプリは一般公開は予定されておらず、あくまで従業員が次世代Siriの機能を検証するためのツールと位置付けられているとのこと。

「Veritas」は、過去の会話履歴を参照したり、複数トピックでの継続的な対話を可能にするなど、一般的なチャットボットに似た構造を備えています。従業員は音楽やメールなどの個人データ検索、アプリ内での写真編集といった新機能を効率的にテストできる仕組みとなっており、フィードバック収集にも活用されているとのことです。

Appleは当初、Siriの刷新を2025年春に計画していましたが、機能の不安定さが原因で延期され、現在は2026年3月にも公開が見込まれています。刷新版では、大規模言語モデル(LLM)を基盤とした新システム「Linwood」が採用され、Apple独自のFoundation Modelsに加え、外部AIモデルの技術も組み合わせているとされています。

ティム・クックCEOは社内で「AIは数十年で最大の変革であり、勝たなければならない」と強調しているといい、HomePodやApple TVのAI強化、AIベースの検索機能など、Siri以外の領域でも開発を進めています。

なお、AppleはOpenAIやAnthropicと協議した経緯もあるものの、現在はGoogleとGeminiプラットフォームを活用する方向で交渉を進めているとBloombergは伝えています。