iPhoneがヘリウムガスの影響で動作不能になることが明らかになりました。iPhone本体で採用されているMEMS発振器の動作を妨げ、"文鎮化"してしまうようです。
iPhoneがヘリウムガスの影響で文鎮化、原因は「MEMS発振器」
iPhoneやApple Watchなどがヘリウムガスにさらされると、動作不能になってしまうという現象が報告されています。
iFixitによると、アメリカ・シカゴにある病院でMRIを設置している最中に携帯電話が相次いで動作不能になるというトラブルが発生。調査の結果、動作不能になったのはiPhoneやApple WatchなどのApple製品だけだったとのこと。
この現象を調査していたエリック・ウッドリッジ氏がRedditに状況を書き込むと、ユーザーから「液体ヘリウム」の可能性を指摘されたそう。ウッドリッジ氏がMRIを調査すると、液体ヘリウムが120リットルも漏れていたことが確認されました。
調査を続けるとAppleがiPhoneやApple Watchに採用しているMEMS発振器「SiT1512」がヘリウムガスの影響を受けていたことが判明。「SiT1512」採用前のiPhone 5などは影響を受けなかったといいます。
ヘリウムガスが充満した環境は特殊なケースなので、特に問題なさそう
Appleの「iPhone ユーザーガイド」には、ヘリウムガスに対する注意も記載されています。以前は動作不能になったiPhoneは「1週間放置しておけば使えるようになる」とユーザーガイドに記載されていましたが、現在は修正され記載はなくなっています。
高濃度の工業用の化学薬品(沸点に近いヘリウムなどの液化ガスなど)のある環境に iPhone を持ち込むと、iPhone が損傷したり、機能が損なわれる場合があります。
iFixitが行った検証動画によると、ヘリウムガスを充満させたビニール袋に入れたiPhoneや約4分30秒で動作不能になりました。
大量のヘリウムガスが充満する環境に身をおくことは少ないため、特別注意する必要はなさそうです。