これまでの報道では、Appleは2023年にMRヘッドセットを発売すると予測されています。しかし、Apple社内ではMRヘッドセットの発売に関して、インダストリアルデザインチームから、数年遅らせたほうが良いという提案があったようです。
Financial Timesによると、Appleのインダストリアルデザインチームは、MRヘッドセットはまだ発売できる状態ではなく、数年後に軽量なARメガネが実現するまで待つべきと考えていたようです。
Appleの第1世代MRヘッドセットは、さまざまな最先端技術が搭載され、サイズも比較的大きく、価格も高価になると予測されています。AppleのCOO、Jeff Williams氏が率いるチームは、第1世代のMRヘッドセットを今のタイミングで発売し、このジャンルに参入する必要があると考え、ティム・クックCEOも支持したようです。
Appleはこのタイミングでこの領域に入ってこないと、マーケットシェアを競合他社に取られる可能性は十分に考えられるでしょうし、いつになるかわからないARメガネの登場まで先延ばしにするメリットは少ないでしょう。
Apple社内ではかつて、スティーブ・ジョブズ氏とデザインチームがほとんどの決定を行っていたと伝えられています。ティム・クック氏の体制になってからは、オペレーションの権限が強くなり、ジョニー・アイブ氏の退社をはじめ、デザインチームの影響力は弱まっているようです。
ティム・クック氏は2021年4月、The New York Timesのインタビューに対し「10年後にはAppleにいないだろう」と引退を示唆。また、引退前には新しい製品カテゴリを生み出すことも言及しています。
発言当時はApple CarかAR/VRの製品が予測されていましたが、今年発売と予測されるMRヘッドセットが、新しい製品カテゴリになる可能性はあります。
AppleのMRヘッドセットは、6月に開催するWWDC23で発表されると予測されています。価格は3,000ドル(約40万円)になると伝えられています。