
Appleが、同社の製品にプリインストールされているウェブブラウザ「Safari」にAI駆動型検索エンジンを導入する方向で「積極的に検討している」ことが明らかになりました。

Appleのサービス部門上級副社長であるEddy Cue氏は5月8日、米司法省がAlphabet(Googleの親会社)に対して起こした訴訟の証言の中で、Apple製品の標準ウェブブラウザ「Safari」にAI検索を追加する構想を明らかにしました。
この訴訟の核心は、Appleのブラウザでのデフォルト検索エンジンとしてGoogleを設定する見返りに、年間約200億ドル(約3兆円)と推定される契約です。
Eddy Cue氏は「以前は、Googleに代わる有効な選択肢はないと考えていました。しかし現在は、新しい参入者たちが異なる方法で問題に取り組んでおり、より大きな可能性があります」と証言しています。
Eddy Cue氏によれば先月初めてSafariでの検索数が減少したとのこと。これはユーザーがAIを利用し始めた結果だと分析していると説明。
Eddy Cue氏はOpenAI、Perplexity AI、Anthropicなどが最終的に標準的な検索エンジンに取って代わると考えており、将来的にこれらのオプションをSafariに追加する意向を示しました。
現在AppleはSiriのオプションとしてOpenAIのChatGPTを提供しており、今年後半にはGoogleのAI検索製品であるGeminiも追加する見込みです。Eddy Cue氏によれば、AppleはAnthromic、Perplexity、中国のDeepSeek、Grokなども検討したとのこと。
しかし、Eddy Cue氏はSafariのデフォルト検索エンジンとしてGoogleを維持するべきだとも考えているとも述べています。
また「10年後にはiPhoneは必要なくなっているかもしれない」と述べ、「本当の意味での競争とは、テクノロジー・シフトが起きたときだけ」「AIは新たなテクノロジー・シフトであり、新規参入者に新たな機会を生み出している」と語ったということです。