TikTokの従業員は、選んだ動画をバズらせる機能を運用していると判明

TikTokの従業員は、選んだ動画をバズらせる機能を運用していると判明

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TikTokの従業員は、特定の動画をレコメンドフィードに一定数の動画再生回数を達成するまで掲出する、手動のプッシュ機能「Heating」と呼ばれる機能があることが明らかになりました。TikTokのスポークスパーソンであるJamie Favazza氏はこの機能について、レコメンドフィードの動画の約0.002%がこの機能を使っていると説明していますが、1日の動画再生回数の大部分(1〜2%)を占めているとの証言も伝えられています。

TikTok、特定の動画をユーザーにわからないように宣伝していた

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Photo by Solen Feyissa on Unsplash

Forbesによると、TikTokとByteDanceの従業員は、特定の動画をユーザーにわからないようにレコメンドフィードに手動プッシュし、バイラルさせていたことが明らかになりました。

この手動プッシュは「Heating」と呼ばれ、従業員が選択した動画を、一定の再生回数を達成するまでユーザーのレコメンドフィードに掲出する機能だそうです。

TikTokとByteDanceの現職と元従業員の6人と、Fobesが確認した内部資料などから確認したということです。

Heatingが使用された動画は、TikTok全体の1日の動画再生回数の大部分(1〜2%)を占めているといい、インフルエンサーやブランドとの関係を強めるためにHeatingは利用され、パートナーシップに誘い込んでいると情報筋は述べています。

TikTo従業員が、自身や家族などのアカウントでHeatingを利用したという不適切な事例も確認されているとのこと。また内部文書によると、インフルエンサーや企業との関係強化のためだけでなく、多様なコンテンツを促進するため、重要な情報をプッシュするため、レコメンドで見逃した関連動画を宣伝するため、などの用途でも利用されている可能性があるようです。

TikTokのスポークスパーソンであるJamie Favazza氏は、Forbesの取材に対し、Heatingは米国を拠点とする数人だけが、米国でのプロモーション用コンテンツ承認することができ、レコメンドフィードの動画の約0.002%だと説明しています。

TikTokとByteDanceに、中国の従業員、または他の地域の従業員が、中国政府や中国国営メディアによって作成されたコンテンツをHeatingで利用したことがあるか、という質問には回答がなかったということです。

現在、米国ではTikTokへの規制が強まっています。政府が所有するデバイスでのTikTok利用禁止や、一部の州では、州政府のネットワークでのTikTok禁止、大学などの教育機関でもTikTokを禁止するケースが増えています。

昨年12月にはTikTokの従業員が、取材を担当している複数の記者の情報源を明らかにするため、位置情報データを不正に入手しようとしていたことが報じられています

他にも「TikTokはすべてのキー入力を監視している」という報告や、「一部の中国拠点の従業員は米ユーザーのデータにアクセスできる」、「TikTokはショートビデオの閲覧だけでなく、検索と閲覧の履歴、キーストロークパターン、生体認証識別子、下書きメッセージ、メタデータ、デバイスのクリップボードに保存されているテキスト、画像、動画を収集している」といった指摘が挙げられています。

ByteDnaceが以前に提供していたニュースアプリ「TopBuzz」では、親中的なメッセージをアプリの上部に固定して宣伝していたと報じられたこともあります。

TikTokは米国内での月間ユーザー数は1億人超、アクティブユーザーの47.4%がZ世代だと伝えられています