
AppleはAI部門を統括してきたジョン・ジャナンドレア氏の退任を発表しました。後任には、GoogleとMicrosoftで豊富な経験を積んだアマル・スブラマニヤ氏が加わり、今後は複数部門に分散した体制でAI開発を進めるとしています。

Appleは、機械学習およびAI戦略を率いてきたシニアバイスプレジデント、ジョン・ジャナンドレア氏が来春に退任すると発表しました。Bloombergによると、同氏の在任期間は生成AI分野での遅れやSiriの刷新延期など課題が続いたとされ、社内のAI体制見直しが背景にあるとみられます。
ジャナンドレア氏の退任に伴い、AppleはAI組織を一本化せず、ソフトウェア担当のクレイグ・フェデリギ氏、COOのサビフ・カーン氏、サービス責任者のエディ・キュー氏の下に再編する方針です。Siriやロボティクスなど、従来ジャナンドレア氏が管轄していた領域はすでに他部門へ移管されていたとされています。
新たにAI担当バイスプレジデントとして加わるのは、Googleで16年、MicrosoftではAI担当CVP(コーポレートバイスプレジデント)を務めたアマル・スブラマニヤ氏です。同氏は基盤モデルや機械学習研究、AI安全性評価といったApple Intelligenceの中核領域を率いることになります。Appleは声明で「AIは当社戦略の中心であり、彼の専門性が加わることを歓迎している」とコメントしています。
Bloombergは、AppleがGoogleの技術を一部活用する可能性を探る中で社内に不安が広がっていたと指摘します。Apple Intelligenceの基盤技術を担当するモデルチームでは、創設者のルオミン・パン氏を含む十数名がMetaへ移籍するなど、近月は人材流出も相次いでいました。