「イトーヨーカ堂でイラストを無断使用」炎上かと思いきや、両者が良い着地点を見つける好事例に

「イトーヨーカ堂でイラストを無断使用」炎上かと思いきや、両者が良い着地点を見つける好事例に

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新型コロナウイルスの影響で、全国的にマスクが品薄状態になっていることを受け、「ペーパータオルを使った簡易的なマスクの作り方」を紹介したイラストがTwitterで話題に。このイラストがイトーヨーカ堂で無断で利用されたという騒動が起き、炎上騒動に発展するかと見守っていましたが、双方が良い着地点を見つけ和解するという好事例で決着していました。

「イトーヨーカ堂がイラストレーターの著作物から意図的に署名を削除した上で無断使用」

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新型コロナウイルスの影響で、全国的にマスクの品薄状態が続いています。そういった背景でデザイナーのねこハンドさん(@nekohnd)が2月1日、自身のTwitterで「ペーパータオルを使った簡易的な紙マスクの作り方」をイラストで紹介し、注目されていました。

ところが数日後、このイラストが「意図的にサインを消された状態で大型商業施設の掲示板に無断二次利用されました」と報告。無断利用したのはイトーヨーカ堂で、「イトーヨーカドーさん、起こってないので今度イラストの仕事貰えませんか?」と呼びかけていました。

ねこハンドさんは、公益のために役立ちそうな情報を拡散するという気持ちは同じだったはずとし、「権利だ、謝罪だ、でモメるよりも、企業は自社に足りてないデザイン力を正式にクリエイターに依頼することで補い、クリエイターもその力をより社会に生かせる場を企業から頂き、お客様がより分かり易い情報をキャッチアップできるなら、三方良しではないですか?」と持論を投稿していました。

その後、イトーヨーカ堂側と対面で話ができたといい、「昨今のマスク不足でお客様が困っている姿を目の当たりにし、少しでも不安を和らげたいという現場の方の発案から今回の件が発生」したと報告を受け、問題点、今後の対策等を詳しく説明されたと報告。

ねこハンドさんは、簡易マスクの説明図が剥がされることで、マスク不足で「困っている人を助ける」という本来の目的が奪い取る形になってしまったことは不本意とし、イトーヨーカ堂側に改めて公益に繋がる活動に自身も参加させてほしいと申し出、「正式にデザインのご依頼を頂くことが出来ました」と報告しています。

「大企業がイラストレーターの著作物から意図的に署名を削除した上で無断使用」という、大炎上まったなしの今回の事例。クリエイター、イトーヨーカ堂、双方の対応が良かったということもあり、物議を醸しつつも最終的にはお互いの良い着地点を見つけることができた事例となりました。

そもそも論ではありますが、新型コロナウイルスの感染予防という観点では、キッチンペーパーを利用した簡易的なマスクは「効果が期待できない」というのが専門家の認識とされています。

キッチンペーパーを使った簡易的なマスクは、災害時に発生する粉塵などから身を守るためには一定の効果があるとされています。

ネット上での反応は?

ネット上では、最終的な着地点としては「良い結果」とする評価が多くあがりましたが、一方で現場の人間の権利に対する認識の低さを指摘する声も。

Twitterのアイコンに芸能人のアイコンやアニメのアイコンを使っているユーザーも多いですが、カジュアルな権利侵害が多く見られます。この辺の問題って今後はどうなるものなんでしょうね。